サバイバル さいとうたかお 作

サバイバル
作者:さいとうたかお
掲載:週刊少年サンデー
期間:1976-1978
巻数:全10巻
評価:★★★★★
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さいとうたかお作の『サバイバル』は、1976年から1978年にかけて週刊少年サンデーで連載していた王道的冒険・サバイバル漫画の傑作。

地震により沈没した日本。小島に取り残された一人の少年が、自然の中で植物を採り、魚を、鳥を、動物を捕らえ、たくましく生きていく姿が描かれる。それは現実的に淡々と描かれていくが、極めてドラマティックかつエキサイティングである。

それは我々に自然のなかで人間が生きていくということが、いかに知恵と知識が必要なのかを教えてくれる。

更に物語は、一人の女性との出会いと別れ、そして沈没せずに残った日本本島への冒険へと拡がっていく。


あらすじ

友人と洞窟探検に来ていたサトルは突然の地震に合う。気絶から目覚めたサトルの周りには誰もおらず、一人きりで暗闇の中だった。

懐中電灯を見つけ、洞窟の奥に進んだサトルは外から漏れる光を見つける。光にホッとし、サトルはしばし休息をとる。しかし更なる地震が起こり、水が押し寄せてきたため、サトルは光へ向かって岩を登るしかなかった。

洞窟を脱出することができたサトルだったが、彼が見たのは一面の海にぽつんと存在する小島に自身が立っているという事実だった。

山に来ているはずだったのにとサトルは呆然としたが、その理由を知る術はなかった。



どんな状況であろうと腹はすく。飢えたサトルは木の実を口にするが、それは少量しかなく腹を下すこともしばしばだった。

川で魚を捕ろうと木で槍を作るが、魚の早い動きにとてもついていけない。そこでサトルはダムを作り、魚の逃げ道をなくす方法を思いつく。やっとのことで一匹の魚を捕らえ腹ごしらえをしたサトルは疲れ眠りにつくのだった。

目が覚めると雨が降っていた。岩の陰に逃げたサトルだったが、やはり住み家が必要だった。何もないその小島で、サトルは山に横穴を掘り住居とするしかなかった。

次にサトルは鳥を捕ろうと考える。縄を引くと岩が落ちる仕掛けを作り、下に魚を置いてサトルは待った。鳥は近づいては来るが、魚だけを取られるというのが常だった。

サトルは次に海に潜って貝を捕ろうと思い立つ。しかしそこで見たものは、海底に沈む山の木の群生だった。サトルは気付いたのだ、自身が立つ小島は洞窟探検に来た山で、山より下、つまり地上は沈んでしまったのだと・・・。



しかしサトルはたくましかった。弓を作り鳥を捕り、釣り竿を作り魚を捕った。山の様々な植物やキノコも、自身の体で食用とできるかを試していった。

食料を捕り、保存することも覚えたサトルの生活が安定し始めていたとき、住居にネズミが現れるようになった。

食料も奪われ、噛まれたことが原因で病気にもなったが、それも乗り越えた。

そのようなサトルの前に、船が一艘現れる。そこには若い女性が乗っていた。ずっと一人で生きてきたサトルは、人に会えたことの喜びで感極まり泣き出すのであった・・・。
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