ひとりみ葉月さんと。 カザマアヤミ作

ひとりみ葉月さんと。
作者:カザマアヤミ
掲載:月刊ガンガンJOKER
期間:2011-2012
巻数:全2巻
評価:★★★☆☆
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カザマアヤミ作の『ひとりみ葉月さんと。』は、2011年から2012年まで月刊ガンガンJOKERにて連載していたラブコメディ。全2巻。

恋愛経験ナシの25歳・葉月と妹の同級生の男子高生との初めてのお付き合い。恥ずかしい思いを乗り越えながら、少しずつ自分をさらけ出して深め合っていくピュアなラブストーリー。


導入

真坂葉月、実家暮らしの25歳、恋愛経験無し…。

外食したり、家でゴロゴロしたりと変わらない毎日。しかしそんな変わらない日常が楽しくて、葉月はいまさら恋をしたいとも思わなかった。

しかしそんな干物女の葉月に
「恋する幸せ」、お姉ちゃんにも知ってほしいなぁ
と妹の実也が恋することを勧める。

お姉ちゃんに恋してるという実也に、葉月は説得力の欠片も感じなかったが…。

そんな実也が突然連れてきたのは、実也のクラスメートの男子高生・祝幸丸。幸丸は、仕事で学校に来ていた葉月を見かけ、葉月を好きになったのだった。

戸惑う葉月に実也は、
頑張ってお姉ちゃん!
はじめてのことだし
困ったときのためにアドバイスくまさんを託すから!
とくまのぬいぐるみを手渡し、二人をおいて去ってしまう。

妙な空気になりつつも、幸丸は葉月に自己紹介し、葉月を知っていること、そして好きになったことを告白する。

しかしフィクションでしか恋愛を知らない葉月は、告白されたことに現実感を感じられずにいた。

呆然としていた葉月に幸丸は切り出す。
さっき実也が初めてのことって!
葉月さんまさか初めてつきあうんですか!?

しかしそこは年長者の葉月、さも年齢なりに恋愛はこなしてきたという感じで髪をかきあげ言う。
そんな訳ないじゃない
あなた私のことナメてるの?
初心者っていうのはあなたのことよ

次々と口から溢れ出る嘘八百に冷や汗すら出てきた葉月だったが、もはや止められなかった。

しかし幸丸は、尊敬するような眼差しで葉月を見つめ、
お友達からってことでよろしくしてもらってもっ
と葉月にお願いする。

ええ、いいわよ
よろしくどうぞ
そう偉そうに幸丸に告げながら、葉月はこれからどうしようと不安になってしまう。

そんな葉月の気持ちを汲み取ったのか、初心者で何も分からなくて、と幸丸はアドバイスくまさんの力を借りることを葉月にお願いする。

しょうがないわね、と言わんばかりにくまさんの首を開けると、そこには次のように書かれた一枚の紙切れ。
キスしちゃえヨ★

あのクソ妹がと思っていた葉月だったが、それを見た幸丸の恥ずかしがりように、余裕を見せなければと思った葉月は、
…してみようか
と言ってしまう…。


あらすじ

真坂葉月は、25歳の実家暮らしで恋愛経験どころかデートに行ったことさえなかった。しかし、家でゴロゴロするのは好きだったし、休みの日は漫画を読んだり音楽を聞いたりするのが楽しかった。それゆえ、恋愛したいなんて思ってもみなかった。

そんな葉月を見かねた妹の実也は、ある日、葉月の彼氏候補としてクラスメートの男子高生・幸丸を連れてくる。

幸丸は、たまたま仕事で学校に来ていた葉月を見かけ、そして実也が姉妹であることを知り、実也に願い出たのだった。

こうして二人は付き合いだすが、年長者のプライドか、葉月は幸丸の前では恋愛事に長けたお姉さんのように振る舞うのが常であった。

そして、何回か食事をするだけのデートを重ねたものの、見栄を張り続けた葉月はお付き合いに疲れて、幸丸の誘いを断ってしまう。

久しぶりに訪れた一人の時間。しかし葉月は、幸丸のことを思い出してしてしまい、そんな時間を楽しめなくなってしまったのだった。

そして実也の助言で、葉月は幸丸を誘って遊園地に行くことになる。

しかし葉月は、久々に来た遊園地に夢中になり過ぎ、大人ぶるのをすっかり忘れていたのだった。

可愛かったと幸丸に言われ、それに初めて気づいた葉月は、言い訳に夢中になり、ついには恋愛さえ初めてだということまで言ってしまう。

しかし幸丸は、そんな葉月の話を黙って聞き、そして、自分は年下だから足りないところがあるかもしれない、でも一緒に頑張っていきましょうと、葉月に伝える。

そんな幸丸の誠実な一面に触れ、葉月は自分の中に生まれた初めての感情に気づいていく。

しかし、ある日のデートの別れ際、葉月は幸丸の付き合ってもらっているという言葉にハッとなる。

すでに、幸丸のことを好きになっていた葉月は、その言葉に悲しみを抱く。自分はまだ幸丸に好きだと言っていない、幸丸を安心させなくてはいけないと…。


感想

ふんわりとした絵柄とストーリーで、ぼんやりと始まりふわふわっと終わって、特に感慨深さもないが、悪くもないといった感じであった。

ただ、終わりは急ぎ足な部分が多々あり、5巻くらいの長さにした方が良かったのではないかと思ったりもした。
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