八男って、それはないでしょう! 原作:Y.A 漫画:楠本弘樹 キャラクター原案:藤ちょこ 掲載:ComicWalker 期間:2015- 巻数:既刊3巻 評価:★★★☆☆ Amazonで詳細を見る |
田舎騎士爵家の八男という、家督を継ぐことができず、成人したら平民に落ちてしまう少年に転生してしまった平凡なサラリーマンが、転生して得た魔法の才能によって、自ら爵位を獲得し、謀略渦巻く貴族社会の中で立身出世していく物語。
あらすじ
25歳の商社社員・一宮信吾は、ある日突然、魔物が跋扈する剣と魔法のファンタジー世界へ転生する。しかし転生先は、成人したら家を追い出されてしまう極貧騎士爵家の八男で、しかも5歳の少年・ヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスター(愛称ヴェル)の身体であった。将来への危機感を募らせたヴェルは、独り立ちするべく、12歳にして冒険者予備校に入学する。
物語は、そんなヴェルが、同じく予備校に入学した騎士爵家の五男であるエルヴィン・フォン・アルニム(愛称エル)と、生活費を稼ぐために森に狩りに行くところから始まる。
魔物が住むという森は、王家の法により15歳の成人にならなければ入れなかった。そのため、二人が狩るのは単なる野生動物で、魔法の特待生であるヴェルと、剣と弓の名手であるエルにとっては、危険を感じることもないイージーなアルバイトであった。
獲物も確保し街に帰ろうとしていたその時、ヴェルは「探知」の魔法により、狼の群れに囲まれる二人の人間の反応を見つける。
「身体機能強化」の魔法により、すぐに駆けつけたヴェル達は、強力な魔法によってあっさりと狼を殲滅し、二人を助けることに成功する。
かくして助けた二人は、ヴェル達と同じく入学したばかりの予備校生、イーナ・ズザネ・ヒレンブラントとルイーゼ・ヨランデ・アウレリア・オーフェルヴェークの二人の女子であった。
二人は、予備校のあるブライヒレーダー辺境伯領の陪臣の子であったが、女子であり長女でもなかったため、家督を継ぐのも貴族や他の陪臣家に嫁ぐことも難しく、自ら立身出世すべく冒険者を目指していたのであった。
そして、同じ予備校生ということもあり、四人は一緒に食事をしようと街へと戻るのであった…。
感想
魔法の才能により挫折することなく無双し、身を立てていくという異世界転生ファンタジーもので、特にファンタジー世界の貴族社会での物語が楽しみどころとして挙げられる。また、WEB小説版と異なり(商業小説版は未読)、コミカライズ版は転生してから冒険者予備校に入学するまでの物語が一部回想形式で語られるのみとなっている。
そのため、小説版を未読の場合、転生してすぐのハードモードの主人公を前提としないために、主人公に対する印象が変わってしまうのでは、と思わずにはいられない。
作画については、ファンタジー世界、および豪奢な貴族社会の事物が緻密かつ想像力豊かに描かれ、原作の足を引っ張ってしまうということはなかった。
小説版
八男って、それはないでしょう! 作者:Y.A イラスト:藤ちょこ 出版:KADOKAWA(メディアファクトリー) Amazonで詳細を見る |