煩悩時 作者:秋★枝 掲載:コミックフラッパー 期間:2008-2012 巻数:全3巻 評価:★★★★☆ Amazonで詳細を見る |
煩悩寺という煩悩にまみれた部屋に住む、煩悩の薄い青年が、恋に傷ついた女性を癒しながら、関係性を発展させていくという奇妙な恋愛物語で、2人は仲のいい友達のように共通の時間を過ごしながら、深く結び付いていく。
そんな2人の日常は、刺激に溢れた空間にいながらも穏やかで、年齢に見合った冷静な想いを持ちつつも初々しい。
あらすじ
5年付き合っていた彼氏と別れたことで飲みすぎてしまった小沢美千代は、同じマンションの小山田善爾の部屋のトイレを借りる。トイレを済ませ一息ついた彼女が目にしたのは、意味不明な像や卑猥なフィギアやサーフボード、そして雀卓やスロット台が据え付けられた奇妙な空間だった。それは放浪している善爾の兄が、善爾の部屋を倉庫代わりとして送りつけてきたもので、未開封の段ボールも山積みだった。
好奇心を露わにしげしげと段ボールを見つめる美千代に、善爾は尋ねる。
一箱開けてみます?
その箱には高価そうな酒。家も近いということで、二人はたちまち酒盛りを始めるのであった・・・。
この出来事をきっかけに美千代は度々、善爾の部屋を訪れるようになる。
そんなある日、
煩悩寺に女!?と、善爾の親友である島本ヒロキが突然訪れる。
「ぼんのうじ」とは何かと尋ねる美千代に、善爾は「ここの事だよ」とその経緯を説明する。それは善爾の兄が、実家の寺を継ぐ前に
俺は30までに煩悩の限りを尽くす旅に出ると言って出ていき、善爾の部屋にまさに人間の煩悩とも言うべき物をたくさん送りつけてくることから名づけられたのだと・・・。
このような、飲んでダラダラと時を過ごすという日々の中で、善爾と美千代はお互いに恋心を抱くようになり、ついには結ばれます。
しかし「泊まっていく?」と言った善爾が、美千代のために棺桶の寝床を用意したり、部屋にダッチワイフが3体もあったりと、なんだが色気もくそもない環境で関係性を深めていく二人は、とても微笑ましく、穏やかな気持ちになります。
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