少年メイド 作者:乙橘 掲載:B's-LOG COMIC 期間:2008- 巻数:既刊9巻 評価:★★★☆☆ Amazonで詳細を見る |
母親との死別によって富豪・鷹取家の一員となった、超一流ハウスキーパーの少年・千尋と、その叔父である半ニートな衣装デザイナー・円、そしてその隣人たちとの穏やかな日常を描いた物語。
導入
小学五年生の少年・小宮千尋は、唯一の肉親であった母親・千代を突然に失う。しかし、働きづめで顔を合わせる時間も少なく、千代に代わって家の一切を行っていた千尋にとって、千代に会えなくなってしまったことに実感もわかなかった。ただ、親戚づきあいが一切なかったため、自分がこれからどうなるのかは悩みの種ではあったが…。
そんな折、千尋の前に鷹取円と名乗る若い男が現れる。そして、円は千尋の叔父であり、千尋を引き取るという。わけも分からず、彼に連れられた先は大豪邸と言わんばかりの円の自宅だった。
しかし、母一人子一人で貧しい生活を送っていた千尋は信じられなかった。そしてそれなら、なぜ苦労する母親を助けてくれなかったのかと、千尋は絞りだすように円に聞く。
円は、千代が千尋を生むために家を出奔し、本家から絶縁されていたこと、そして助けなかったのは千代本人の意志だったことを千尋に告げる。
だったら俺もいらない千尋はそう言って部屋を飛び出す。千尋は悲しかったのだ。自分がいなかったら千代は死ななかったのではないか、自分が子供じゃなければ千代を助けられたのではないかと…。
千代が死んでから、千尋は初めて千代の死と向き合い、悲しみが溢れたのだった…。
暗闇で泣きくれていた千尋は、足元に這う髭男爵(G)に気づく。思わず立ち上がり、電気を点けたその部屋は台所だった。しかし無法地帯と化していたが…。
こんなゴミ屋敷が許されると思うな!!そう叫んだ千尋にはすでにスイッチが入っていたのだった…。一流のハウスキーパーの…。
千尋は磨いた。その荒れた台所を…、いつからそのままかわからない洗い残しの鍋を…。
気づくと時は夕暮れ。そして台所はピカピカになっていた。それを見ていた円は千尋に持ちかける。住み込みのハウスキーパーだったらどうか…と。それなら、鷹取の世話になるのではない、ギブアンドテイクだよ…と。
それなら…と千尋は納得し、円の家に住むことを了承する。しかし、制服だよ…と円から渡されたのはフリルの着いたメイド服。
こうして、ここに、ひらひらのメイド服を着た一流の少年メイドが誕生するのであった…。
感想
手に取りづらい、店頭で買いづらい題が付けられた作品『少年メイド』ですが、内容はほのぼのとしたホームコメディです。小学校高学年の少年にメイド服を着せ、その二枚目の叔父がキャッキャッウフフと可愛がるという、こう書いてしまうと怪しげですが、いたって全年齢向けです。
しかし、本作品の掲載誌・B's-LOG COMIC は女性向け萌え雑誌らしいので、少年好きの女性たちには、主人公の千尋少年はたまらない存在なのかもしれません。【ウィキペディア:B's-LOG COMIC】
そういえば、千尋少年の頬を染める描写がやけに多かったような…。